第2回 全身を温める「大椎」のツボ

この冬は首を大きくグルッと巻いたボリューミィなマフラーが流行りました。昔から「風邪は首から入って来る」と言われ、マフラーは厳しい冬のマストアイテムです。風邪予防に最も優れているのが、首の後ろにある「大椎(だいつい)」のツボです。鼻水、悪寒、喉の痛みなど風邪の諸症状も和らげます。

 

人体には経絡(けいらく)という気(生命エネルギー)の通り道があります。経脈は20あるといわれますが、特に重要なのが14本の経絡(正経12脈、奇経2脈)です。経絡は陰陽に二分され、大椎は「陽脈の海」と呼ばれる督脈(とくみゃく)28穴にある14番目のツボです。

大腸経、胃経、小腸経、膀胱経、三焦経、胆経の6本の陽の経絡が督脈と合流する重要な経穴で、全身の陽気が集中します。大椎を刺激すると、全身が温まって血液循環が良くなるので防寒対策にお勧めです。

大椎の別名は「百労(ひゃくろう)」と言って、百病を労(いた)わる万能のツボともいわれています。

 

大椎は益気功第8節 推頸緩気(とぅいじんほぁんちい)で押すツボで、「どこが大椎なの?」と練功初心者を戸惑わせる難関なツボです。

 大椎は第7頸椎と第1胸椎の間にあります。首には7個の頸椎があって、一番下の第7頸椎は首の土台となる一番大きな椎骨です。出っ張った骨が体表から触れるほど突隆しているので「隆椎(りゅうつい)」とも呼ばれます。

その大きな椎骨の下にあるのが大椎のツボです。

 

首を軽く前屈させると、第6頸椎、第7頸椎、第1胸椎のポコッと尖がった棘突起(きょくとっき)が、まるで連山のように3つ出現します。

 

第7頸椎と第1胸椎は大きさも似ているので見極めが難しいのですが、首を前屈させて頭部を左右に回旋させたときによく動くのが第7頸椎、動かないのが第1胸椎です。椎骨に手を当てるとその動きが確認できます。

 

重い頭を支えて動く首はダメージを受けやすく、肉体的にも、精神的にもストレスを受けやすいところです。借金などで追いつめられると首の周りの筋肉がかたくなり、動くはずの首も動かなくなることから、「借金で首が回らない」といわれるようになったのです。

 

首のツボを押す時は、力を入れ過ぎると首の神経を圧迫するのでよくありません。心地よい程度に優しく押すようにしましょう。

 

 

日本健康づくり協会代表 松浦祐己 

(まつうらゆうき)